日本銀行・氷見野副総裁は今月初めに株価が記録的な乱高下となったことに関連して「金融資本市場は引き続き不安定な状況にある」と述べ、当面は高い緊張感を持って市場の動向を注視していく考えを示した。東京株式市場では先月末に日銀が追加利上げを決めたあと日経平均株価が過去最大の下落となるなど激しく乱高下し、外国為替市場でも一時急速に円高ドル安が進んだ。氷見野副総裁が甲府市で講演。今後の金融政策については「私どもの経済、物価の見通しが実現する確度が高まっていくということであれば金融緩和の度合いを調整していくというのが基本的な姿勢だ」と述べ、経済や物価の状況を見てさらなる利上げを検討していく姿勢を強調した。先週国会の閉会中審査で植田総裁が発言した内容を踏襲した形。今後政策金利をどこまで引き上げるかについては具体的な水準は明言しなかった。