最大勢力となった左派連合「新人民戦線」、今回の選挙で急きょ結成された政党。物価対策・最低賃金引き上げの他、マクロン大統領が進めてきた年金制度改革の全面的な見直しなどを掲げた。先月行われた1回目の投票では極右政党「国民連合」と連携する勢力が首位となった。これに対抗するため、左派連合「新人民戦線」は中道「与党連合」の決選投票に向け、選挙協力を進め200以上の選曲で候補者を1本化した。その結果、事前の予測を覆し、新人民戦線が最大勢力となった。ただいずれの政党も過半数には届かなかった。極右政党「国民連合」率いるルペン氏は泥沼が現実となったと話した。専門家は国民連合への国民の根強い警戒感があったと指摘。極右政党を抑えることには成功したもののどの政党も過半数に届いておらず、議会は宙ぶらりんの議会。左派連合「新人民戦線」メランション氏は急進左派政党の創設者。決選投票でマクロン大統領率いる与党連合と選挙協力も政策面では大きな隔たりがある。マクロン大統領はNATOを軸にした安全保障体制を重視するのに対し、メランション氏は将来的にはNATO脱退、自国防衛強化すべきだと訴えてきた。互いに連立を組むことを拒否。議会多数派の形成、難航が予想される。マクロン大統領が仕掛けた議会解散という賭け、専門家は今後厳しい議会運営が迫られるため賭けの勝敗は当面判断できないとしている。