五百旗頭さんが政権のトップと本格的な対話を始めたのは、小渕総理の時代からだった。小渕総理は韓国との関係をまず構築し、それを中国との外交につなげようとしていた。小渕総理が韓国を訪問する際、高麗大学で予定されていた講演についてのアドバイスが残されていた。反発も予想される中、「聞かせる演説草稿」「問い詰められたら誠実・真摯・前向きに具体的事実をあげて説得的に語る」「温容・笑顔・ユーモアもほしい」などどのように語りかけるかを助言していた。小渕総理は、日韓が協力して経済文化の面でも二重三重の関係を作っていこうと訴え、反発する人にも「日本に来てほしい」と呼びかけた。