初回のきょうは安易に運びの仕事に手を出し、人生を狂わせることになった元闇バイトの証言を紹介する。証言したのは東京都内で起きた闇バイトの事件に関わり逮捕起訴された30代の被告。事件の詳細と自分の名前を明らかにしないことを条件に拘置所で記者との面会に応じた。闇バイトのきっかけは車の購入やギャンブルでできた100万円を超える借金がありカネに困ったため。運送会社で仕事していた被告はSNSのXで闇バイトの募集投稿を見つけ運びの仕事がないかとダイレクトメッセージを送った。運びの仕事をすれば犯罪に加担する可能性があると認識していた。およそ1週間後、メッセージが自動で消去される匿名性の高い通信アプリで「動ける?」と指示役から連絡が来る。「動ける」と返事をすると15万円の報酬を示された。送られてきた地図をもとに都内の駐車場に行くと数人の知らない男たちがいた。被告はおいしい仕事と思っていたという。指示されたとおり車に乗せて都内の複数の場所を回った。誰かからスマホで指示を受けている男がいたり、時々、車を離れるメンバーがいたり、けがをしている男性も車に連れてこられ犯罪の雰囲気は感じていたが、言われるままに運転を続け翌日、都内でほかのメンバーとともに逮捕された。なぜ関わってしまったのか、被告が取材に対し「運びだったらいちばん足がつかない。運びは飲み屋、ネットで知った。後悔している。15万円が欲しくて1回でやめようと思っていたが最初で捕まり報酬ももらえていない。地道に働いたほうがよいし社会復帰も難しいのでやらないほうがいいと思う」と証言した。