武部貴則教授は東京科学大学など3つの大学で教授を務めている。アメリカで3人の研究者とオルガノイドセンターというミニ臓器センターのようなものを2017年に立ち上げ、副センター長という立場でセンターをリードしているという。日米間を行き来する多忙な日々。武部貴則教授が現在行っている研究がiPS細胞から臓器をつくる未来の医療。武部教授は、iPS細胞に複数の細胞をあわせることで新生児程度のミニ肝臓をつくることに成功。これにより将来、肝臓病患者への移植が期待される。移植や再生医療分野で成果を上げている武部教授。研究者としてのスタートは横浜市立大学の医学生だった頃。iPS細胞に興味を持った武部教授は肝臓の研究を希望するも、許可されたのは軟骨の研究だったという。そこで成果を出し、念願の肝臓の研究に取り組めるようになったという。転機となったのは、助手として初めてヒトのiPS細胞から臓器をつくることに成功したこと。今のミニ肝臓の元になる発見だった。これはNatureにも取り上げられ、世界から注目される存在となった。医者ではなく、研究者の道を選んだ理由について、イメージとのギャップがあったためと話す。