イラストレーターの生頼範義は1935年に兵庫県・明石市に生まれ、高校卒業後に東京藝術大学・絵画科に入学した。学生時代は人物デッサンに注力したがこれ以上教わることがないと悟り3年で中退し、アルバイトをしながら作品を作り続けた。25歳の時に銀座で初めて個展を開き、1962年には結婚を機にイラストレーターとして活動を始めた。1966年に手掛けた吉川英治全集の新聞広告がきっかけでブレイクし、装画の仕事が舞い込むようになった。仕上げた作品はSF・ミステリーなど幅広ジャンルで、生涯で1500点以上の装画を手掛けた。また映画「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」では日本版ポスターのイラストを担当し、遠近法をあえて無視する斬新なデザインで話題となり、国際版ポスターにも採用された。どの仕事でもアシスタントは一切使わず毎日10時間以上アトリエにこもってすべて1人で完成させてきた。2015年に他界したが、アトリエには大量の未完の油絵があった。