上場企業が自社の株式を市場から買い取る「自社株買い」の金額が去年、過去最高となった。企業が自社の株式を買い取る自社株買いは、市場に出回る株式の数が減ることになる分、1株あたりの利益が増え、株価の上昇につながりやすいとされている。東海東京インテリジェンスラボのまとめによると、去年1年間で上場企業が決定した自社株買いの総額は17兆9920億円で、前の年の1.8倍に増え過去最高となった。背景には、企業の業績が好調で、自社株買いの資金を捻出しやすくなったほか、おととし東京証券取引所が、株価を意識した経営を要請したのをきっかけに、株主還元を強化する企業が増えたためとみられる。