半年近い長期戦となる通常国会が召集されたが、石破政権にとっては前途多難な船出。大きく立ちはだかるのは政府が提出する予算案や法案の審議、政治とカネの問題、選択的夫婦別姓制度の議論。政府提出法案は59本の予定で与党が過半数を占めていた去年は98%が成立したが、少数与党となり、そう簡単にはいかない。特に新年度予算案を野党の協力を得て年度内に成立させられるのか。野党の主張を取り入れ修正を迫られる可能性もある。予算案に加え年金制度改革の関連法案など国民生活に直結するものも多く野党も重責を負うことになる。政治とカネの問題では3月末までに企業団体献金の扱いに結論を出すことになっているが、与野党が折り合う見通しが立っていない。東京都議会でも自民党会派で不記載が明らかになり野党側は追及を強める構え。与野党の攻防の末、伝家の宝刀といわれる内閣不信任決議案が提出されるのかどうか。もし可決されれば内閣総辞職か衆議院解散とまさに政局となる。夏には東京都議会議員選挙と参議院選挙が控えている。石破政権がいくつもの難題を乗り越えていけるのか。対する野党は協力するのか、どこかで勝負に打って出るのか。選挙を見据えて与野党双方の思惑が複雑に絡み合い先の読めない展開になりそう。