人材の確保に向けて、さらに福利厚生の充実を図る企業が増え、サービスの種類も広がりを見せている。企業の福利厚生に働く人の関心が強まっているよう。就職活動の際に重視したという声も。化粧品の生産や販売を手がける都内の企業の従業員はおよそ100人で、8割ほどが女性。子どもを預けられない場合に、会社に連れていける制度や、子どもの体調が悪いときのシッター費用の全額補助などに取り組んでいる。さらに家事代行サービスへの補助も、先月、新たに始めた。このサービスを提供する企業によると、人手不足に対応するための国の実証事業に先月、採択されたこともあって、新たに契約を結ぶ企業の数が例年より伸びているという。一方、従業員の食費を補助するサービスも広がっている。都内のベンチャー企業が手がけるこのサービスでは、専用のICカードを使って、提携先の飲食店やコンビニを利用すると、所得税がかからない形で最大、税抜き月3500円分の補助を受けることができる。物価の上昇が続く中、新たにサービスを導入した企業の数は2倍以上に増えたという。福利厚生の充実は、企業として何を重視しているのかという姿勢を示すことにもつながる。賃上げとともに、人手の確保に向けた選択肢として、今後も広がりそう。