福島第一原発の1号機から3号機では、2011年3月の事故で溶け落ちた核燃料と周囲の構造物が混ざり合った核燃料デブリが合わせておよそ880トンあると推定され、極めて強い放射線を出し続け容易に近づけないことから、その取り出しは廃炉最大の難関とされている。東京電力は先月22日、事故後初めてとなる試験的な取り出しに2号機で着手する計画だったが、当日の準備作業で取り出し装置を格納容器内に押し込むためのパイプが、誤った順番で並べられているミスが見つかり直前で延期された。きのうまでに再発防止策を取ったうえで準備に問題がないことが確認できたということで、きょう午前中に、格納容器の内部に向けて装置を押し込む作業を再開し改めて取り出しに着手する計画。計画では、細いパイプ状の装置の先端からケーブルで下ろした器具で格納容器の底にあるデブリを数グラムつかみ回収することになっていて、完了までには順調に進んでも2週間程度かかるとしている。政府や東京電力は“試験的な取り出しで得られる核燃料デブリのデータは、今後の廃炉を進めるうえで欠かせない”としていて、成否が注目される。