東京電力は、最大の難関とされる核燃料デブリの取り出しを、きょうから試験的に始めた。細いパイプ状の装置からケーブルで下ろした器具で、格納容器の底にあるデブリを数グラム回収する今回の試験的な取り出し。そのスタートとして、格納容器の内部に通じる配管に装置の先端部分を入れ、着手できたとしている。福島第一原子力発電所の1号機から3号機にあると推定される核燃料デブリは、合わせておよそ880トンに上る。試験的な取り出しは、先月22日から始める計画だったが、装置の取り付けミスで、およそ3週間延期された。当初の計画から3年遅れとなった今回の取り出し。本格的な取り出し工法の決定など、今後の廃炉工程をも左右するとされている。試験的な取り出しの完了までには2週間程度かかると見られ、成否が注目される。