茨城県つくば市の筑波技術大学で聴覚に障害のある人たちのスポーツ観戦をサポートするシステムが開発されている。聴覚障害者のスポーツ観戦では場内アナウンスが聞こえず試合の進行が理解できないことやプレーに対する歓声が上がっても分からないことがある。そのためシステムでは観戦する人たちが場内アナウンスなどを聞き、その情報を投稿していくことで、スマートフォンの画面にタイムラインで表示され聴覚障害者の観戦の助けになるという。筑波技術大学・白石優旗准教授は「聴覚障害者にスポーツ観戦における一体感を感じてほしい」と話している。今年11月、聴覚障害がある人たちの国際的なスポーツ大会、デフリンピックが日本で初めて開催されることになっており、大会に向けて多言語化などの改良に取り組んでいる。また特殊な眼鏡をスマートフォンに接続して装着すると目の前にタイムラインが表れ試合から目を離すことなく情報が得られるシステムも開発されている。研究チームは筑波技術大学OB・デフバドミントン日本代表候補・沼倉昌明選手を通じて競技の主催者に協力してもらい、このシステムを観客に広く使ってもらうことを目指している。このシステムは来月から開かれる大阪関西万博でもデモンストレーションを行う予定だという。