4月からの進学や転勤を前に本格的な引っ越しシーズンが始まっているが、希望する時期に引っ越しができない「引っ越し難民」が今年は急増している。一体なぜなのか。福岡市東区の引っ越し現場。新年度を間近に控えた今、引っ越し業者は1年で一番の繁忙期を迎えている。今年の3月は早めに動いていても予約を取るのが難しい状況。要因の一つが2024年問題。去年4月から労働時間の上限が運送業界にも適用されたことでトラックドライバーが稼働できる時間が減り1日に対応できる引越し件数が減少。去年4月に適用されたため、3月の引越しシーズンに影響を受けるのは今年が初めて。引っ越し料金が高い繁忙期を避けようとする相談も増えている。梱包に使われる段ボール。年間におよそ30万枚使用するということだが、今年は1枚あたり15円ほど値上がりしている。そんな中、業界では少しでもコストを削減しようと新たな取り組みも始まっている。東京や関西を中心に引っ越し業者50社と提携し、引っ越し作業が終わったトラックを利用して帰りの便で荷物を運んでもらうなど輸送の効率化を図っている。2024年問題だけではない引っ越し業界の課題。ライバル会社と競争するのではなく協業することでドライバーを確保するとともにコストも抑えようと引っ越し難民を生まないための模索が続いている。