中国国防省はきのう模擬弾頭を搭載したICBM(大陸間弾道ミサイル)1発を発射し、太平洋の公海上に着弾させたと発表した。海上に向けての発射は1980年以来とみられる。中国国防省はロケット軍が訓練用の模擬弾頭を搭載したICBM1発を発射し、太平洋の公海上に着弾させたと発表した。日本の海上保安庁は中国当局からある通報を受けていた。「宇宙ゴミの落下」というもので予想されていたのは3つの海域。防衛省はこの通報は今回のICBMを指していると見ていて、専門家は南シナ海の上空を通過して南太平洋に着弾させたと推測している。中国の狙いは何なのか。中国を巡っては日米韓3か国やオーストラリアなどが抑止力を高めるため連携を強化する動きが続いていた。そのさなかでの発射公表に専門家、防衛省防衛研究所・増田雅之中国研究室長は「今回は「東風41」ではないかというような話が出てきてる。米国本土を射程に置くICBMという意味で中国に向けられた同盟の体制が強化されているというこのタイミングでメッセージの打ち返しを明確に米国に対してしたということだろうと思う」と述べた。中国側は今回の発射について「国際法や国際的な関連に準拠し、特定の国や目標に向けたものではない」としている。日本政府、林官房長官は「我が国上空の通過は確認されていない。また現在までに関係機関からの被害報告等の情報は確認されていない。政府としては引き続き必要な情報の収集分析に努めるとともに警戒監視に全力を挙げる」と述べた。