国交省の要請を受け、7都府県で緊急点検が進められている。なかでも緊急を要するのが東京で、現在最も老朽化した下水道管が埋設している。高度経済成長期に入り人々の生活は豊かになっていったが、生活排水や工業排水が流れ込んだ隅田川は悪臭を放ち死の川と揶揄された。東京オリンピックが下水道設備を本格化させる契機となった。下水道設備が特に集中的に行われたのが渋谷で、主要な競技場と選手村が作られた場所。選手村の下水道設備は大命題となっていた。渋谷区では、オリンピック招致が決定した1959年に3%だった下水道普及率が、開催年の1964年には60%以上の普及率になった。今では東京23区の下水道普及率は100%になった。しかし耐用年数を超え始めている。