松井証券・窪田さんはきょうの日経平均予想レンジを38,350円~38,850円とし、「きのうのアメリカ市場は株式市場が落ち着いた値動きとなる一方、長期金利がやや低下したことから為替がやや円高に振れる展開となった。本日の東京市場はこの円高の影響を受け、前日比でやや軟調な展開になると予想している」と話した。また、注目ポイントには「逆風続く東証グロース市場」と挙げ、「東証グロース指数の低迷が続いている。2023年以降の日経平均株価と東証グロース250指数を比較したグラフを見てみると、2023年夏頃から東証グロース市場250指数のアンダーパフォームが続き、今年の4月以降はその動きがより顕著になっている。最大の要因は日本の長期金利の上昇。東証グロース250指数と日本の長期金利の推移を示したグラフを見てみると、長期金利が上昇している局面では東証グロース250指数が下落していることが分かる。一般的に株式市場では株式の益利回りが低い銘柄=PERが高い銘柄ほど金利上昇による悪影響を受けやすいため、東証グロース市場の銘柄は売られる銘柄が多い。東証グロース市場の下落が続いたことでこの市場を手掛ける個人投資家の懐具合も痛んでいる。松井証券店内のグロース買い信用評価損益率を示したグラフを見てみると、足元でやや改善しているもののマイナス23.3%と厳しい状況が続いている。また、プライム市場等も含めた全体の信用評価損益率はマイナス5.8%と比較的良好なことから、余力がある個人投資家は東証グロース市場の銘柄に押し目買いを入れ続けており、信用買い残高の水準も高いため需給状況の改善はしていない。日銀が円安への対抗策として早ければ今月の政策決定会合で国債の買い入れを減額する可能性がある他、4月に追加レイヤーを行うとの観測も強まっており、日本の長期金利にはこの先も上昇圧力がかかることが予想される。また、アメリカの景気が急減速し、日銀の利上げ観測が後退する可能性もあるが、その場合はリセッション懸念で株式市場全体が売られる。こうなると東証グロース市場の底入れには今しばらく時間がかかりそう」と話した。