東京電力・福島第一原発にたまる処理水の海への放出が始まってあすで1年となる。去年8月24日に始まった福島第一原子力発電所にたまる処理水を基準を下回る濃度に薄めたうえでの海への放出。放出前の去年8月の処理水の量は、134万5072トン。先月16日までに合わせて7回、5万4734トンが放出された。一方で、処理水のもととなる汚染水が1日90トンのペースで発生し、今月15日時点の処理水は1年前よりおよそ3万5000トン減った。放出は30年程度続くと見られている。処理水の海への放出に反発し、中国や香港は、日本産水産物の輸入停止措置を取った。その結果、去年9月からことし6月までの水産物の輸出額は前の年の同じ期間に比べて16.9%減り、特にホタテの中国への輸出額は去年6月までの半年間は214億円だったが、ことしはゼロ。全漁連・坂本会長はきょう、齋藤経済産業大臣に中国の輸入停止措置の撤廃に向けて取り組むよう求めた。 影響の長期化が懸念される処理水の放出。福島の漁業者は、水産物の安全性を伝えるイベントの開催などに力を入れている。