財政検証は国内に住む20歳~60歳の全員のための国民年金、会社員などの厚生年金を対象に行われていて、所得代替率とは現ネキ世代の男性の手取りと比べて受け取れる年金の額を調べるものとなっている。50%を下回らないように法律で定められていて、実質経済成長率が1.6%となった場合は現役世代の男性平均手取り収入が45万5000円に対し年金は25万9000円で56.9%、成長率が-0.7%と厳しい状況となった場合でも収入額が38万2000円に対し19万1000円の50.1%と試算されているがその後50%を割り込むと試算されている。5年前の検証に比べると率は上昇している。専門家の末吉孝行氏によるとデフレ脱却や女性・高齢者の就業者増加や株高の影響があるとしている。年齢別の平均では実質経済成長率が-0.1だった場合では50歳男性が14万1000円に対し、20歳は15万5000円となっている。若い世代は実質賃金が上昇していることや労働環境変化で厚生年金の加入期間が伸びるためという。一方で末吉氏は急激な景気悪化やデフレへの逆戻りなどの不安材料はあるとしている。厚生労働省は給付水準低下を防ぐため、納付期間を5年延長することも試算していたが、見通しの改善を受けて延長案は撤回されている。