きのう、全国3800校の頂点を決める第103回全国高校サッカー選手権大会の決勝が行われた。チケットは完売し、過去最多の5万8347人のファンが詰めかけた。決勝のカードは、7年前にも戦い、それ以来の日本一を目指す群馬代表・前橋育英と、対するは17大会ぶりの頂点を目指す千葉代表・流通経済大柏。前半12分、流通経済大柏は前線の守備からボールを奪って、J2・富山に内定している亀田歩夢(3年)が、こぼれ球を逃さず細かいタッチから見事なゴール。流通経済大柏が先制する。ただ、それでもブレなかった前橋育英は前半31分、黒沢佑晟(3年)がターンで相手をかわしてクロスを上げると、そこへ飛び込んできた柴野快仁(2年)がヘディングでゴールを奪う。この同点ゴールに、就任43年目の前橋育英・山田耕介監督は喜び爆発。後半には、前橋育英の守護神・藤原優希(3年)がチームを救う神セーブ。その後、両チームともに果敢にゴールを狙うが、前後半90分で決着がつかず、4大会ぶりとなる延長戦へ突入。さらに、10分ハーフの延長戦でも互いに無得点。延長戦終了のスコアは流通経済大柏1−1前橋育英。迎えたPK戦は高校サッカー史に残る激闘になった。先攻の流通経済大柏の1人目は、この試合で最初の得点を決めた亀田歩夢(3年)。亀田歩夢が落ち着いてPKを決めると、後攻の前橋育英の1人目、中村太一(3年)もゴールの真ん中に蹴り込んでくる。ここから両チームともに失敗することなく、7人目まですべてPKを決める。すると、流通経済大柏の8人目のPKを前橋育英の守護神・藤原優希(3年)が神セーブ。しかし、“これを決めれば優勝”の前橋育英の8人目、白井誠也(2年)はPK失敗。涙する白井に仲間が声をかける。高校サッカー選手権・決勝初となる10人目まで突入したPK戦は、流通経済大柏の10人目のPKを、再び藤原優希が神セーブ。前橋育英の10人目は、この試合で同点ゴールを決めた柴野。柴野がPKを決め、歴史に残る熱戦を制した前橋育成高校は7大会ぶり2度目の日本一。試合結果は、前橋育英1(PK9−8)1流通経済大柏。