JR根雨駅長の和田隆さんは先月鉄道ファンにマナーアップを呼びかけようと、日野町の根雨駅に町職員や警察官らが集まった。撮り鉄の聖地として人気の通称「ネウクロ」。根雨駅と黒坂駅の間にはたくさんの撮影ポイントがあり、この日はその内の3か所をまわる。鉄道ファンの影響で町の飲食店などにもにぎわいがうまれている一方で、危険な場所での撮影やマナー違反も相次いでいる。ことし4月江府町で線路に人が立ち入ったとの情報で列車が遅延したほか、3月には駅に停車中の「やくも」に男性らが抱きつく画像がSNSで拡散。警察は去年、線路に侵入するなどした複数の鉄道ファンを鉄道営業法違反などの疑いで書類送検した。鉄道をめぐるトラブルに詳しい小島好己弁護士は、住居侵入罪などに問われないように注意が必要と話した。和田駅長は去年の春からほぼ毎日、およそ400回にわたって沿線を巡回してきた。トンネルをぬけて走る「やくも」が撮影できるポイントで注意を呼びかけていた。農繁期で用水路の水量が増えていることにも注意を促した。和田駅長は鉄道ファンとの関係構築に少しずつ手応えを感じている。行政も取り組みを進めていて、日野町は路上駐車を防ぐため、町民が所有する土地を無償で借り、鉄道ファン専用の臨時駐車場を設けた。県が準備した駐車場と合わせておよそ300台分になる。町を元気づける起爆剤ともなり得る鉄道ファン。トラブルを防ぎながら共存していくための取り組みが続けられている。
住所: 鳥取県日野郡日野町根雨134-1