東京・武蔵野市にある吉祥寺南病院は去年10月から診療を休止している。今、住みたい街ランキング7年連続の吉祥寺を巡り異変が起きている。武蔵野市によると吉祥寺エリアでは去年4月に森本病院が廃院に。さらに10月には吉祥寺南病院が診療休止となったことで、救急病院がゼロになる事態となった。病院の実情を巡っては、一昨日発表された帝国データバンクの調査結果でも今年の上半期に倒産した医療機関が過去最多となった去年を上回るペースの35件に上ったことが判明。主な理由が人件費・物価高騰や建物の老朽化などであるのに対し、原則2年に1度改定される診療報酬がコストの上昇に見合うほどには上昇せず、収益の悪化に繋がるとしている。吉祥寺南病院も築50年以上が経過し建て替えを計画していたが、建築資材の高騰により計画自体が頓挫したという。森本病院も建築費の高騰を背景に建て替えを断念したという。こうした中、全国の病院の財政難を巡って日本病院会も今年5月に危機感を表明した。解決の糸口の1つは診療報酬の引き上げにあるという。