創業48年の老舗飲食店「元祖もつ鍋楽天地」。福岡市内で12店舗を展開している。2代目の社長である水谷崇さんは今年5月、自身の分身ともいえる「AI社長」を導入。通信アプリを使って社長に代わり従業員の質問に答えるシステムで、学習データをもとにテキストを作る生成AIを活用している。「AI社長」の精度を高めるため水谷社長は、自分ならこう答えるという模範解答も入力しシステムに学習させている。例えば、レモンサワーの作り方を質問すると水谷社長本人と同じくAI社長も博多弁。さらに企業の理念を従業員に理解してもらうため質問も送られてくる。この「AI社長」は福岡出身の西山朝子さんが社長を務めるベンチャー企業が開発。西山さんは、中小企業の社長から「自分が5人いたらもっと儲かるのに」という声を聞き開発に取り組んだ。今年4月にもつ鍋楽天地に入社した藤田涼雅さんは、AI社長に、自分が焦っている時のアルバイト従業員への指導について聞いた。導入から3か月、従業員の反応は上々のよう。24時間、従業員からの質問に答えてくれるAI社長。水谷社長は今後社員だけでなくアルバイト従業員にも利用してもらおうと考えている。