アメリカのCNNは8日、トランプ大統領が就任する前の去年、献金者らと私的な会合で「習主席に台湾に攻め込んだら北京を爆撃すると警告したことがある」と語っていたと報じた。中国からの軍事的な圧力に直面する台湾はきのう本土からの攻撃を想定し、大規模な軍事演習を開始した。去年5日だった期間を今年は過去最長の10日間に延ばすなど前例のない規模に拡大している。軍事演習は台湾全土の陸海空軍兵士のほか、予備役は過去最多の約2万2000人が参加する。さらにウクライナ軍がロシアとの戦闘で使用しているアメリカから調達した高機動ロケット砲システム「ハイマース」の部隊も参加するとみられている。中国外務省・毛寧報道局長は今回の台湾の軍事演習について「台湾のいわゆる“演習”は外交問題ではない。民進党当局が外国勢力に頼って“武力で独立を図る”のは最終的に実現できないに決まっている」と述べた。笹川平和財団上席フェロー・小原凡司氏は台湾が演習を過去最大規模に拡大してことについて、中国の人民解放軍は2027年に創設100周年を迎える。それまでに台湾統一への準備を整えるのではと警戒が高まっていると指摘する。そのため、軍事演習は実戦的になってきている。小原氏は「次の段階は本番だという認識を持っているのではないか」と話した。