コロラド州の裁判所が2020年の大統領選挙の結果を覆そうとしたトランプ氏には2024年の大統領選挙への立候補資格を認めないとする判断に対し、8日に連邦最高裁で保守派とリベラル派の判事のどちらからも懐疑的な見方がはっきり示された。コロラド州の裁判所はトランプ氏は「憲法を支持すると先制し、反乱に関与したものは誰もその後、国や州の職に就くことはできない」と定めた憲法修正第14条第3項に違反したと判断した。30回に渡って行われた口頭弁論で判事たちはその判断に強い疑問を示した。トランプ氏が大統領の時に任命されたカバノー判事は「民主主義を考えるとき人々が誰を選ぶのか人々に決めさせるという考え方はどうなのでしょうか」と言い、クリントン大統領の時に任命されたケイガン判事は「誰がアメリカの大統領になるのかを何故1つの州が決めることになるのかという問題に向き合わなければいけないと思います」と述べ、バレット判事も「州が決めることではないように思います」と同調した。ロバーツ長官は「もし裁判所がコロラド州最高裁の判断を支持したらアメリカの政治の分断が深まり、共和党支持の州と民主党支持の州が競い合うことになる」と警告した。かなりの数の州が民主党候補が誰であれ候補として予備選には出られないとし、他の州でも共和党候補に対し同様の事態が想定される。その結果、一握りの州だけが大統領選の結果を決定することとなり、そうなると極めて恐ろしい結果を招く。しかし、こうした議論の影にちらつくのは連邦議会乱入のトラウマ。トランプ氏自身は乱入事件の日を「素晴らしい」と述べたが、ジャクソン判事は「トランプ氏の弁護士が起きた現実を認めた」と述べている。トランプ氏の弁護士は「これは暴動であり反乱ではない。暴力的な出来事ではあるが、修正14条3項で用いられている反乱には該当しない」と述べた。