民主党・ライアン下院議員は「私の見解では、バイデン氏はトランプ氏を打ち負かす最強の候補者ではない」、民主党・コノリー下院議員は「大統領選の民主党候補の将来について、冷徹な判断を下す覚悟が必要だ」と述べた。バイデン氏に撤退を求める声が、民主党議員から相次いでいる。12日には20人を超えた。民主党下院トップ・ジェフリーズ院内総務は、11日夜にバイデン大統領と会談し、議員らの声を直接伝えたという。続行を宣言するバイデン氏に対して、撤退を説得できる人物について「NEWSWEEK」コラムニスト・ジョージタウン大学・ポトリッキオ教授は「一番はジル夫人、民主党内だとオバマ氏。しかしバイデン氏とオバマ氏はかなり微妙な関係性という噂もあり、そもそもオバマ氏は2016年にバイデン氏の出馬を思いとどまらせて、ヒラリークリントン氏を推した。しかしクリントン氏はトランプ氏に敗北、4年後にバイデン氏はトランプ氏に勝利。バイデン氏の実績がオバマ氏を上回っているという声もあり、オバマ氏はそれをねたんでいるそうだ」と説明。ポトリッキオ教授によると、ジル夫人以外にもバイデン氏に大きな影響を及ぼす人物がいるという。「NEWSWEEK」コラムニスト・ジョージタウン大学・ポトリッキオ教授は「バイデン氏は民主党上院のトップ・シューマー氏のアドバイスを真剣に聞いている。しかしシューマー氏が撤退を強く促していない理由の1つに、このまま僅差でバイデン氏がトランプ氏に負けたとしても、上院へのダメージは限定的だからという計算があるのだろう」と説明。民主党上院トップ・シューマー院内総務が「大統領選の候補についてバイデン氏以外でもかまわない」と、民主党の献金者に示唆したと、米国メディアが報じた(アクシオス)。しかしその報道後に、シューマー氏は声明を発表し、バイデン氏を支持すると述べている(ロイター通信)。米国大統領選まで4カ月を切った今、バイデン大統領の撤退論に民主党が揺れ動いている。