激戦州の一つ米国・ペンシルベニア州内には、多くのウクライナ系米国人が暮らしている。最も気を病んでいるのがロシアによる軍事侵攻。ウクライナへ最大の支援を行っているのは米国だが、今回の大統領選挙でトランプ前大統領が当選すると、支援が打ち切られるのではないかという懸念が広がっている。今月、全米のウクライナ系米国人が4年に一度集まる会議が、ペンシルベニア州で開かれた。話題に上がったのは、来月に迫る米国大統領選挙。米国・元駐ウクライナ大使が、選挙後の見立てを披露した。トランプ前大統領が再選すれば、支援が打ち切られるかもしれないと不安を抱える一人、ペンシルベニア州に住むウクライナ系米国人の男性は、旧ソビエト時代、弾圧から逃れるため、両親が米国に亡命。これまで共和党を支持し続け、前回2020年の選挙では、トランプ前大統領に投票。しかしトランプ前大統領は「ウクライナ・ゼレンスキー大統領が米国に援助ばかり求め、ロシアとの停戦交渉の席につかない」として批判。男性は、トランプ氏がウクライナへの支援を止めるのではないかと考え、今回初めて、民主党に投票することにした。専門家は、この州に住む多くのウクライナ系米国人の懸念が、選挙結果に影響を及ぼす可能性があると指摘する。ペンシルベニアの政治を研究・ポーラ・ホロビアック教授は「コミュニティーではウクライナ系米国人全員に投票に行くよう呼びかけているが、トランプ前大統領に投票しないよう働きかけているのは明らか」と語った。ペンシルベニア州には、ウクライナ系米国人が約12万人いるとされている。4年前の選挙では、両候補の票差が僅か8万票だったので、ウクライナ系米国人の票の行方も重要になってくる。大統領選挙まであと2週間。激戦州での攻防に注目。