名古屋から車で30分ほどの愛知県津島市にある「森田屋」のらーめんは衝撃の300円。本格チャーハン「やきめし」は200円。セットで食べてもワンコインという価格設定。野舘芳之さんは「300円ぐらいでいいよって感覚で始めたら、そのまんまいっちゃってね。できなかったらやめりゃいいんですから」と話す。300円という破格でラーメンを提供できる秘密はどこにあるのか、仕入れに同行させてもらった。食材によって仕入れる店を変えているという。値段よりも品質重視という野舘さんが頭を悩ませているのは卵価格の高騰。そのため野舘さんは規格外のワケあり卵を格安で購入していた。知り合いの地主から元駐車場の一角を無料で借りているため、家賃はかからない。店の厨房や客席、すべてが野舘さんのDIYによるもので、借金することなく開業できたことも儲け度外視の提供を可能にしているという。また人件費を抑えるため、野舘さん1人で切り盛りしている。商品を運ぶゴンドラは野舘さんの発明品。森田屋は土日は約100人の来客がある。今から2年前、70歳にして店をオープンさせて以来、値段とともに野舘さんが変えないことは「年中無休」であること。大晦日や正月も休まず営業している。休憩時間にはサンドバッグを叩いていた。野舘さんは元プロキックボクサーで、ファイトマネーだけでは生活できず、運送会社に就職し長らくトライバーとして働いていたという。その後、後輩や同僚のすすめでドライバー引退後、ラーメン店を始めた野舘さんは「安さを言い訳にしない。何度でも食べたくなるラーメン」を目指した。野舘さんは「『この値段は助かるね』ってみんな言ってくれるんでね。500円、1000円にしますよっていうのは簡単じゃないですか。それは逃げてるのと一緒ですからね」と話した。読売新聞特別編集委員・橋下五郎は「見事だなぁ。それを続けられるのはすごいですね。1日も休まないでですよ」と話した。
