先月行われた石川県での春巡業。集まった多くのファンが期待するのは、2場所連続優勝の綱取り。大の里は報道陣に対し「深く考えすぎずいつもどおり、考えすぎると足元をすくわれる」と話した。実は場所前は調整が思うように進んでいなかった。横綱・豊昇龍に1勝8敗となっており体調不良で十分な稽古を積めずにいた。遅れを取り戻すため急ピッチで仕上げようと出稽古へ。動きのいい相手に連続20番をしてとにかく身体を動かし続けた。大の里は”綱とり”の夢に向けて戦い抜く決意を新たにしていた。本場所が始まってみると、圧倒的な相撲内容で体調の不安を微塵も感じさせなかった。無敗で迎えた13日目、ファンの期待は最高潮になり優勝が決定となった。