安田さんの予想レンジは39350~39550円。注目ポイントは「トランプ人事から考える日本株」。安田さんは「トランプ次期政権の人事が固まり始め、対中強硬派の人選となっていることから関税政策については就任後すぐにでも中国に対し関税引き上げを目指すと考えられる。しかしながら文字通りの関税率の引き上げが行われるかは疑問。第一次トランプ政権時代を振り返っても当初掲げていた関税率の半分程度となっていた。また楽観は禁物だが米国景気の減速につながるような政策はトランプ氏の本望ではないと思われる。あくまでも関税政策は交渉ツールとしての位置付けで、米国景気に配慮したかたちで政策運営が行われるのではないかと考えている。私は引き続き米国一強の構図が盤石になる可能性が高いと考えている。こうした状況を反映してかS&P500とTOPIXの益利回り差が2000年以降最大レベルまで拡大している。米国一強の裏で割安感が高まっている日本株の反発のきっかけは関税政策の行方と利下げに伴う製造業を取りまく環境の改善にあると思われる。トランプ氏の大統領就任後、政策の実像が鮮明になれば日本株の割安感も修正されていくとみている。トランプ政権の主導を考慮するとニュースフローなどでマーケットが振らされやすいことが想定されるため、銘柄選別の観点では「マクロニュートラルスコア」の高い銘柄に注目している。マクロニュートラルスコアは「対TOPIXベータ」と「対ドル円ベータ」を合成した値が高くもなく低くもない銘柄をマクロ変動に対し中立度が最も高いものとして評価したもの。独自に作成したマクロニュートラルスコアをもとにパフォーマンスを検証したグラフを見ると第一次トランプ政権において有効性が高かったことがうかがえる。これらの銘柄群はマクロの変動に影響を受けにくく、独自の成長ドライバーで株価が決定されるような企業と解釈できるので、来年も有効性を発揮すると捉えている。」などと述べた。