瀬戸内海を望む絶景スポットに現れた異様な光景。20年ほど前から墓石が不法投棄されたという。南あわじ市の県道の道路脇を入っていくと緑の木々の中にグレーの塊。約1200平方メートルの敷地を埋め尽くすように数え切れないほどの墓石が捨てられている。不法投棄された墓石は乱雑に積み上げられ、高さ4メートルになる場所も。元々、土地の所有者が営業をしていたが、2001年ごろに閉店。その後、空き地になっていたため、県内の石材業者から「石を置かせてほしい」と相談があり了承したという。石材業者は西日本各地で後継ぎがいなくなり、管理されなくなった墓石を相場の半値で回収。適切に解体せず、土地の所有者に無断で不法投棄した。2008年、製剤業者の社長らが廃棄物処理法違反の疑いで逮捕・起訴され、執行猶予月の有罪判決。しかし、石材業者の社長が死亡し、会社も倒産。もう1人いた従業員の行方もわからなくなったという。墓石の処分には数千万円の費用がかかるため、土地の所有者は対応できず、放置し続ける結果に。2年後に大鳴門橋に自転車道が完成される予定で、観光客の増加が見込まれるため、交通渋滞の緩和と駐車場の整備が急務となっていた。3年後の春ごろを目処に墓石が不法投棄された土地を含め、約300台の駐車場を建設予定。