光村図書出版が小中学生の保護者へのアンケートで「子どもに戦争や原爆のことを伝えるために適切な方法は?」と質問したところ、7割を超える人が「学校の授業や教科書」と回答。ほかには「被爆した人やその子孫の人からの体験談」21.3%、「広島や長崎の資料館や跡地などの訪問」31.7%と、被害に遭った人などから直接話を聞く機会なども重要と思っている保護者の方が多いこともわかった。しかし保護者の思いと現状は大きく違っているよう。小中学生への「原爆のことを知っているか」という質問には約8割が「知っている」と回答。「どうやって原爆のことを知った?」という問いに約7割が「学校の授業や教科書で知った」とする中、「被爆した人やその子孫から体験談を聞いて知った」4.6%、「広島や長崎の資料館や跡地を直接訪れて知った」8.9%と被害に遭った人などから直接知る機会が非常に少なくなっていることが見えてきた。その理由の一つに被爆者の高齢化が上げられる。厚生労働省によると、広島と長崎に投下された原爆によって被爆した人たちの平均年齢は、今年3月時点で85.58歳となっている。今回の企画を監修した東京大学大学院情報学環・渡邉英徳教授は「被害に遭われた人から話を聞くチャンスは少ない。今回のAR体験を通して原爆は恐ろしいと思った若者たちの一部が、更に色々と調べて活動を展開してくれるようなきっかけになってくれれば」と話している。増田氏は「原爆投下から来年で80年になるので、実際の体験者から話を聞くことが難しい中、新しい技術を使って様々な形でこういう取り組みが広がっていくといいなと思った。教育の現場でも使えるのではないかという気がする」等とコメント。