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「澎湃新聞」 のテレビ露出情報

13日、中国の全人代(全国人民代表大会)常務委員会は働く人の退職年齢を今後15年間かけて3〜5年引き上げる法案を可決した。2039年末までに男性は63歳、一般女性は55歳、女性幹部は58歳にしていく。中国メディアなどによると定年引き上げの背景の1つには平均寿命が延びたことがある。1950年代には平均寿命が50歳前後だったが去年は平均寿命78.6歳。60歳以上の人口は増え続け去年末には約2億9000万人と国民の2割に及んでいる。これに伴い年金保険料を納める期間を延長。現行は年金を受け取るために最低でも15年間納める必要があるが、これを2030年から段階的に延長して2039年末までに20年納めなければならない。朝日新聞デジタルによると年金保険料を納め終えるなどした場合、定年より早く退職できる制度も設ける。
定年を引き上げなければ年金システムが崩壊するのではという指摘もある。生産年齢人口の推移を見てみると2010年から去年まで約7500万人も減少している。生産年齢人口の減少が年金制度を圧迫。中国では年金積立金などは地方政府が管理。シンガポールメディアによると31の管轄区のうち11で年金財政が赤字。政府系シンクタンク「中国社会科学院」の推計(2019年発表)によると都市部の高齢者向けの年金積立金は2035年に底をつく(AFP通信)。人民網によると遼寧省資産運用プランナー協会・銭維軍事務局長の計算では現在30歳の人が60歳で退職し80歳まで生きた場合、物価上昇率を3%として計算すると約9万7000円/月が必要(現在レート)。年金の平均額(職業などでも異なる)は都市戸籍を持っている場合、北京や上海などの人達は約12万円/月。都市戸籍でもそれほど発展していない省に住んでいる人は約6万円/月。農村戸籍の人は約2500円/月。専門家は定年を引き上げても「年金システム崩壊危機は解決できないと思う」と話した。
定年引き上げは若者にも影響か。懸念(1)若者の雇用情勢の更なる悪化。毎日新聞によると高齢労働者の職を維持するため人件費の増大を嫌う企業や地方政府が新規の求人枠を絞る恐れがある。中国国家統計局によると都市部の若年層(16−24歳)の失業率は今年7月17.1%。環球時報によると30代の中堅社員は「35歳の壁」と呼ばれる困難に直面することもある。人件費が35歳前後で高くなりリストラの対象にされたり、心材募集の年齢制限が35歳未満になり再就職が困難になる。懸念(2)孫の世話ができなくなる。中国では共働き夫婦の子育てを祖父母が助けるケースが多い。中国メディアによると北京師範大学中国公益研究院の王振耀院長が行った調査で94%超の高齢者が孫の養育に関わっている。日経電子版によると遼寧省大連市に住む30代女性は「幼稚園の迎えや料理をしてくれる両親が働くようになれば私は仕事を続けられなくなる」と話している。
5日に中国外務省・毛寧副報道局長は「子どもを養子縁組のために国外へ送り出すことはもうない」と発言。先月28日から国際養子縁組を停止。時事通信によると中国は1990年代から政府機関を通じ国際養子縁組を本格化。農村などでは女児などが生まれた場合、国際養子縁組に出すケースもあった。米国の養子受け入れ団体「チャイナズチルドレンインターナショナル」によると1992年以降、中国から16万人以上の子どもが養子として外国に渡り、そのうち約8万2000人を米国の家庭が受け入れ。ほとんどが女児。現在、農村では女性不足が深刻化。農村では結婚難、少子化の要因か。急速に進む少子化も国際養子縁組の停止決定の背景にあるのでは(時事通信)。
若者の望むような仕事が少ないという。保育所のインフラ整備について、東京大学大学院教授・阿古智子は「伝統的に中国では家庭の中で子どもを育てる。一人っ子政策だったため、双方の親が一人の孫を大事に育てるということも行われてきた。公的な託児施設の数が足りないうえ、民間で運営しているところは物凄く高い。定年の年齢が高くなって、若者も失業して経済的に負担ということになると、子どもを産まない人が増える」と解説。

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