水素で走る燃料電池車が世界で初めて一般発売されてから今月でちょうど10年を迎える。水素の活用の現状と普及に向けた課題について。豊田太解説委員が「車と水素ステーションの2つの連携というのが鍵を握っている。燃料電池車は、今年6月末現在の国内の普及状況はおよそ8500台にとどまっている。一方の水素ステーションも今年7月末時点で全国でおよそ160カ所というのが現状。安全対策が必要だということに加え、水素を高圧で圧縮する特殊な設備が必要ということもあってどうしてもコストが高くなってしまうということが背景にある。ビジネスとしてはなかなか採算が取れないとという声も聞かれる。燃料電池車のメリットは、水素を入れるのにかかる時間が短く、かつ航続距離が長い。これを生かせるのがトラックなどの商用車。ということで国はここに重点を置いて普及させたい考え。一方の水素ステーションも車が増えるのを待っているだけということではなく、例えば愛知県では給湯器やボイラーといった家庭や街中で広く水素を使ってもらって、そこに向けて水素を供給していこうということを目指している。水素は脱炭素に向けた有力な選択肢の一つ。日本にとっても国際競争力、それから経済成長といった面で重要な分野」とスタジオで述べた。