続いての夏の風物詩にまつわるハテナは、夏のスタミナ食の定番「うなぎ」。連日、外国人観光客で賑わう成田参道の老舗、1910年創業の川豊本店。この日出会ったのは、うな重初体験のアメリカ人カップル。初体験の山椒をかけ口に入れた瞬間、言葉を失うほどの感動。外国人のハテナ「ナゼうなぎはご飯の上に乗せて食べるの?」を追跡。うな重より歴史が古い「うな丼」の誕生にはある伝説があった。茨城・竜ヶ崎市にあるかつてはうなぎの名産地として知られた牛久沼は“うな丼”誕生の地。うなぎ料理を60年間で3500食以上食べ歩いた作家・高城久さんによると、一番有力な説はうなぎ好きとして知られた水戸藩勘定奉行・大久保今助が牛久沼ほとりの茶屋でかば焼きを食べようとしたところ、渡し舟の出発が迫っていたため、慌ててかば焼きをご飯に乗せて皿でフタをして舟に飛び乗ったという。対岸に着いてフタを開けるとかば焼きはアツアツのご飯で蒸されてふっくら、甘いタレがご飯にも染みて絶品だった。今助は馴染みのうなぎ店に作らせ大流行。「うな重」誕生のきっかけは明治以降、上流階級への出前。どんぶりでは失礼になると重箱を使用。うな丼と同じ量のかば焼きを乗せると見た目がスカスカになったため、器も量も増やして両方で高級感を演出したと言われている。
