中国・北京と台湾・台北にいる記者に聞く。中国総局・松田智樹記者が解説:中国はどこまで圧力をかける?「頼総統が中国側の統一に向けた主張を全部とはいわないまでも、ある程度認めるまで圧力をかけ続けると見ている。頼総統の演説翌日、中国共産党の指導部メンバーの1人でもある王毅外相が“民族と祖先を裏切る恥ずべき行為”と頼総統を名指しで厳しく非難したほか、中国メディアも、キャンペーンをはるかのように連日、頼総統批判の報道を続けている。一度拳を振り上げたからには、目的を達成するまで徹底的に攻撃するのが中国のやり方。ただこれまでの演習は、中国が反発する出来事が起きた次の日にすぐ始まっていたのに対し、今回は就任演説から3日たっている。中国政府で、台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の報道官は“演習などの措置は、あくまで台湾独立勢力や外部勢力による干渉に対してで、台湾の多くの同胞に向けたものではない”という談話を発表。中国としては、あまり激しい演習を行って台湾の一般的な市民から支持を失わないようにしながら、軍事や経済などの力を使って長期的にじわじわと頼政権を追い詰めていく戦略を描いているように見える」。(中継)中国・北京、台湾・台北。台北支局・逵健雄支局長が解説:台湾圧力にどう対応?「軍事的には、冷静かつきぜんと対処する。台湾の市民や国際社会に対しては、できるだけ情報を提供するという姿勢。台湾の国防部は日本時間の今夜、臨時の記者会見で“中国軍の航空機や艦艇が、台湾の沿岸24カイリのすぐ外側まで接近したが、それ以上は、陸地に近づかせなかった”と明らかにした。24カイリは、領海のすぐ外側の接続水域の海域に当たる。市民に冷静な対応を促そうと、台湾の海軍や沿岸警備当局が、中国軍の艦艇に密着して監視している様子だとする映像や写真を公開。“中国軍の動きは把握している、台湾側から打って出ることはないが、主権に関わるラインは死守する”というアピール。台湾の国防部は、きょう、あす、高度に警戒を保つとしている。中国の発表のとおり、演習をあすで終了するのかどうか、警戒が続いている」。(中継)台湾・台北。台湾・国防部の会見の映像。