接見禁止で家族と会うこともできず弁護士と刑事のどちらを信じればいいか分からなかった。彼女は刑事を信じた。警察のストーリーに沿った供述書が作られた。最後の取り調べで彼女の心は完全に刑事に奪われていた。女性は両親と約1カ月ぶりに再会。そこで刑事の呪縛が解ける。その後、裁判に向け殺していないと否認する意思を固めた。第1回公判の3日前、刑事は余罪を調べるという名目でやってきた。起訴後の取り調べは異例の事で否認するかどうかの探りだったと思われる。刑事は言うとおりに手紙を書けと良い女性は言う通りに書いてしまった。そうした彼女は第1回公判で否認することが出来なかった。第2回公判でようやく否認し無罪を主張し続けた。大津地方裁判所は任意の取り調べで自白した事実から自発性が高いと判断。殺人罪で懲役12年の実刑判決がくだされた。両親は女性が人を殺すとは思えなかった。そこで裁判のやり直しを求め弁護士を訪ねた。2人だけで署名活動を行った。裁判のやり直しは極めて難しい。2012年春、別の弁護士に2回目の再審請求を依頼。それが井戸謙一弁護士だった。2006年に日本で始めて原発差止めを言い渡した元裁判官。これまでの経緯を聞いた弁護士はすぐに裁判のやり直しを求めた。情報収集をしている中で弁護士は大きな疑問を抱く。それは解剖鑑定書。患者のチューブが恥じれていたことを前提に酸素供給欠乏が原因とされていたが、女性が逮捕される前に看護師は取り調べで証言を覆していた。そこで解剖鑑定書作成時の前提が崩れていた。最終的な判決は鑑定書の結論だけを採用していた。さらに3分の酸素供給停止では心臓は止まらないと判明。専門医に解剖鑑定書をみせると致死性不整脈の可能性が高いという。決定的な証拠だった。2017年8月24日、女性は12年の刑を終え出所。女性は37歳になっていた。再審開始が決定した。2020年、無罪判決が言い渡された。大津地裁は自然死の可能性が高いと判断した。そして無罪が確定した。逮捕から15年の年月が経っていた。大津地裁は捜査段階で警察による不当な誘導が伺えると捜査手続きで問題があると厳しく指摘した。裁判長は異例の言及をした。
無実の罪で12年間服役していた女性。弁護士は取り調べは弁護士立ち会いで行われるべきと主張している。冤罪事件は二度と起きてはならない。
無実の罪で12年間服役していた女性。弁護士は取り調べは弁護士立ち会いで行われるべきと主張している。冤罪事件は二度と起きてはならない。
住所: 東京都新宿区四谷2-10 八ッ橋ビル7階
URL: http://www.genjin.jp
URL: http://www.genjin.jp