水泳競技、ハンドボール、体操競技、新体操・ソフトボール男子、相撲、スキー、スケート、アイスホッケーの9つの競技が全国中学校体育大会で3年後から実施されなくなる。今年、大関昇進を果たした琴櫻関など数々の関取を輩出してきた相撲クラブ「柏力会」。全中の名で知られる全国中学校体育大会。相撲競技は夏休み中の8月に富山県射水市で行われる。現在、全中は陸上やバスケットボール、サッカーなど20競技が実施されている。しかし、日本中学校体育連盟は全中の規模を縮小し水泳や体操そして相撲など9競技を2027年度以降取りやめると発表した。優勝者に中学横綱の称号が贈られる全中は中学生力士の将来を左右する特別な大会だった。全中は、活躍すれば強豪校への進学の道も開ける夢の舞台だという。指導者からは、競技として存続の危機だとの声も。やはり取りやめが決まった水泳を巡っては日本水泳連盟が戸惑いが見える声明を発表。教育評論家・尾木直樹さんは取りやめへの経緯が乱暴だったと指摘する。中体連は部活動の設置率が20%未満の競技を原則として消滅の対象にしたという。背景には、急速に進む少子化や教員の負担を減らす必要性がある。「ブラック部活動」などの著書がある名古屋大学・内田良教授は「大きな一歩だ」と評価する。