撮影2日目。空気の澄んだ朝7時頃。犬の散歩中の男性と出会った。営業マンとして長く会社勤めをしてきたが、子どもが成人したこともあって早期退職をしたばかり。会社をやめようか悩んでいた頃は、毎週末ここに来て水面を見つめていたという。午前10時、車が1台入ってきた。大津から来たという男性で、この場所は楽器の練習のためよく訪れているのだという。自転車で来た2人組の男性がいた。ビワイチ(琵琶湖1周)にチャレンジしているのだという。結婚式を控えて前撮りに来た地元の新郎新婦もいた。地域の人たちにとってもここは特別な場所。夕方4時、きのう出会った集団がきょうも集まっていた。ベンチは誰が作ったのかと聞いてみると、すぐ近くの家の高齢の男性が作ったと教えてくれた。その男性を取材した。男性はかつて建築関係の仕事をしており、ゆっくり座って琵琶湖を見たいという思いから、15年ほどまえにベンチを設置したのだという。薄暗くなる中、1人ベンチに座る女性がいた。福祉関係の仕事のリフレッシュをするために京都からバイクで来たのだという。福祉関係の仕事の前には30年ほど占い師をしていたが、コロナで店が閉鎖になり職を失った。仕事を持てている今に幸せを感じている。