4月以降、全国で69人が被害に遭い、うち5人が死亡するなどクマの被害は過去最多に並ぶペースとなっている。これからの時期、クマは冬眠に備えどんぐりなどを食べるが、今年は東北を中心にどんぐりが凶作となっていて、人里への出没がさらに増える可能性がある。そうした中、自治体では専門家と独自の対策に乗り出している。山形・真室川町で県が開いたのは集落点検。住民たちに身近なリスクを知ってもらおうと去年から始めた。講師はクマの生態に詳しい民間の専門員で、目撃地点や痕跡のあった地点を洗い出す。実際その場所を見に行き、専門員がリスクがある場所を指摘する。クマはサクラの実やヤナギの新芽などを好んで食べるので引き寄せる一因になっている。木に登れないようにするなど、専門家らが対策も指導してくれる。山形県は住民のクマへの意識を高めつつやぶの整備に補助金を出すなどして自主的な対策を促したいと考えている。