大和総研の神尾篤史さんに話を聞く。東証は先月末、企業に要請したPBR改革の進捗状況をまとめた。対応を開示した企業はプライム市場では31%、スタンダード市場では14%。PBR1倍割れ企業のほうがPBRの1倍を超える企業より開示が進んでいる状況も明らかになった。神尾さんは「PBRの1倍割れの企業に注目が集まっているが、PBR水準を問わず要請されている。投資家と上場企業の認識のギャップを合わせようというのが狙い。企業側は売上高や利益を重視、投資家が重視するのはROE、資本コスト、ROICを重視している。企業はシェア拡大を重視しているが投資家は事業の選択と集中を重視している。コンコルディア・フィナンシャルグループはPBR1倍割れ企業。ROEが資本コストを下回り、PBRは低水準で推移。日本瓦斯はPBR1倍超。ROEと資本コストの差のエクイティスプレッドの幅を大きくしようとしている。資本効率の分母が資本、分子が利益、利益を伸ばしながら資本を減らせれば資本効率は上がっていく。日本瓦斯は資本効率をあげるためにM&Aや無形資産、次世代投資をしながら高収益資産を積み上げている。東証で有識者会議が開かれている。有識者会議では望ましい取り組み事例を周知する、開示した企業の一覧表を公表、投資家サイドからの働きかけも議論されている」などと述べた。
住所: 東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル3F
URL: http://www.seiho.or.jp/
URL: http://www.seiho.or.jp/