国会の敷地内にある理髪店「職員理髪」は1968年の開店以来、56年間にわたり多くの国会議員や職員らが利用してきた。店主・小鹿里代さんは長年1人で店を切り盛りしてきたが、今年いっぱいで店を畳むことを決めた。56年前の開店時に手助けをしてくれたのは福田赳夫元首相だった。他にも田中角栄氏や中曽根康弘氏といった総理経験者が小鹿さんのはさみとくしで髪の毛を整えてきた。長年愛されてきた秘訣は「人の悪口の話はしないこと」。政治家が悪口を言っても話題をそらして「褒めてあげればいい」と教えてくれた。最後に辞めることに後悔はないか尋ねると返ってきたのは「悔いはない。最高」と明るい答えだった。