福岡県八女市にドイツから移住してきた職人がこの夏、石灯籠の工房を開いた。石灯籠職人・サンドロモリッツさんは、八女の石灯籠に魅了され2年前にドイツから移住してきた。サンドロさんはドイツでは石工職人の最高位の国家資格を持ち、石造りの門や石壁などを手がけてきた。石灯籠に出合ったのは20年前、八女に半年間滞在して石灯籠作りを学ぶプログラムに参加したときだった。八女の石灯籠は担い手不足が続いている。石材を切り出せる石切場は1軒、職人は11人。サンドロさんが戻ってきたのは八女の石灯籠の力になりたいと思ったから。サンドロさんの工房は7年前に亡くなった職人・田代昭さんから引き継いだ。灯籠制作の傍ら、サンドロさんは職人仲間の石灯籠を積極的に輸出している。海外からの需要を開拓し職人の仕事を増やせると考えている。「田代さんから教えてもらったことと自分で考えたものを広げたい」とコメント。今後は八女市とドイツの伝統を掛け合わせたデザインの灯籠も手がけたいという。