初代宮内庁長官田島道治が戦後占領期などの5年近くにわたる昭和天皇との対話を詳細に書き残した「拝謁記」が、15日から東京の国立国会図書館で閲覧できるようになった。昭和天皇の実像に迫る第一級の資料の公開となる。拝謁記は長年極秘に保管されたあと、4年前の夏にNHKがその内容を報じていた。拝謁記によって、昭和天皇が独立回復後の安全保障が現実的な課題となる中で、戦前のような軍隊を否定しつつも再軍備やそれに伴う憲法改正の必要性に繰り返し言及していたことが初めて明らかになった他、戦後も君主としての意識を払拭できず田島長官にいさめられながら象徴天皇像を模索する姿などが記されている。原本は書庫で保管され例外的な場合を除き複製が公開され、書籍化の際に伏せられた個人のプライバシーや名誉に関する部分も含め全文を読むことができる。