約4.7mという石川県で最大の痕跡高を観測した能登町白丸の津波。海から約50mの佐藤さん住宅。その前には川が流れている。住宅の裏手には、高台まで登れる階段があり、3分とかからず高台にたどり着けるが、帰省していた孫たちのため、寒さをしのげる車での避難を選んだ。午後4時35分、佐藤さん家族は、二台の車に分乗。その1分後、みるみる川の水位が上がり、道路に溢れ出す。車に乗っていた孫たちは、車から降りて納屋の奥へ。建物には津波が叩きつけていた。津波が押し流してきた家屋が庭に流れ込む。長女と孫二人を乗せた車は、流されていった。納屋の入口の隙間に身を隠していた長女の夫は、子どもたちを探しに納屋を出ようとするが、引き波に押し流されなすすべがない。家族に1人の犠牲も出なかった。車に乗り流された長女と孫2人は、衝撃で開いた後ろのドアから脱出できたという。佐藤さんは、適切な避難の大切さを感じてほしいとしている。