中国の今年7−9月のGDP(国内総生産)の伸び率は、実質で1年前と比べ4.6%のプラス。中国政府が今年の成長率目標を5%前後とする中、上半期より成長が鈍化している。ただ、国家統計局・盛来運副局長は消費を中心に景気刺激策の効果が出てきていると強調。9月の小売売上高では買い替え支援策の対象である家電は大幅なプラス。自動車も7か月ぶりにプラスに転じた。ただ自動車市場ではEV車の販売が伸びる一方でガソリン車の販売は減少傾向にあり、中でもホンダや日産は3年前に比べると販売台数が半分ほどにまで減少。こうした状況に強い危機感を募らせるのが下請けの部品メーカー。中国・広州にある広州丸順汽車配件。ボディーの骨格からドアの接続部品、ヒンジまで大小さまざまな部品を主にホンダ向けに生産している。ホンダの販売低迷が業績に大きな影響を与えている。一方でホンダへの依存度を下げるべく取り組んでいるのが、3年前からEV(電気自動車)向けバッテリーで世界シェアトップの中国のCATL向けのビジネスを本格化。およそ20億円をかけて巨大なプレス機も導入した。事故などの際に発火や爆発を防ぐため高い精度と品質が要求される。開発スピードを速めるなどの努力を重ねた結果バスなどの大型車向けのバッテリーケースの受注にも成功。売り上げに占めるCATLの割合は3割にまで上がった。さらなるビジネス拡大も狙い、CATLの本社のある福建省におよそ60億円かけて新たな工場も建設。来年から生産を始める。