去年与那国島の人たちは、台湾有事を念頭にした避難計画を突きつけられた。具体的な計画を策定する立場の町は、各地区をまわって説明会を始めた。島から全住民が脱出する計画に、住民からは戸惑いや疑問の声があがった。島民同士が語りづらい空気がある中、事態は先へ進んでいた。安全保障関連の3文書に基づいて全国でインフラの強化が進められ、政府は自衛隊の使用を念頭に空港や港を整備拡充する対象を選び始めた。与那国町は町長自ら空港滑走路の延長と港新設の案を提示し、町議会では町長に説明を求める声があがった。町長は与那国島の港はクルーズ船も接岸できない、インフラを整備する千載一遇のチャンスだと話した。