日銀の金融政策を巡るニュース。今後の政策金利の引き上げのペースが焦点となる中で、赤澤経済再生担当大臣は、就任後初めてとなる記者会見で「物価以上に賃金が上がっていくことに確信を持ってもらえないと、本格的にデフレから抜けることができたとは思えないので、私はかなり慎重に考えるべきだと思っていて、総理も同じ考えだ」と述べた。石破総理大臣は昨夜、記者団に対し「個人的には現在、追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」としたうえで、金融緩和の基調を維持することを期待する考えを示した。一方で、石破総理大臣も赤澤経済再生担当大臣も、日銀の独立性を考慮して「金融政策の具体的な手段は日銀に委ねられる」という認識も示している。日銀の植田総裁はきのう、石破総理大臣と会談し、その後、記者団の取材に応じた。緩和の基調は維持されるべきだという石破総理大臣の認識に対して、2つの点を伝えたという。1つは「日銀の金融政策は極めて緩和的な状態で、しっかり経済を支えていく状態にある」。もう1つは「日銀の見通しどおりに経済が動いていけば、金融緩和の度合いを調整していくことになるが、本当にそうかどうかを見極めるための時間は十分あると考えていて、丁寧に見ていきたい」と述べている。さらに植田総裁は石破総理大臣との間で、政府と日銀が緊密に連携していくという認識で一致したと明らかにした。このやり取りを受けて、円相場は大きく動いた。現在1ドル=146円台まで円安が進んでいる。石破総理大臣の「個人的には現在追加の利上げをするような環境にあるとは考えていない」という発言を受けて、投資家の間では、日銀が追加の利上げを進めにくくなって、利上げの時期が遅れるのではないかという観測から、円を売ってドルを買う動きが広がった。円相場は現在1ドル=146円33銭〜36銭と、きのう午後5時時点から2円余り円安が進んでいる。