日本とロシアは、ロシアによるウクライナ軍事侵攻以来、政府間の対話がほとんど途絶える状況が続いている。石川一洋専門解説委員が「日本は“ロシアのウクライナへの軍事侵攻は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙”として厳しい対ロシア経済制裁に踏み切り、ウクライナを全面支援している。一方ロシアは日本を“非友好国だ”として平和条約交渉を一方的に打ち切り、北方四島へのビザなし訪問の合意も破棄。高齢化した元島民の墓参でさえも行われていない。さらにロシアは北朝鮮と事実上の軍事面での相互支援条約を結び、安全保障でも厳しい北風を吹かせ続けている。プーチン大統領は日本とのエネルギー協力を継続しながら、“政治対話の再開のボールは日本側にある”といわば撒き餌を投げている。一方、石破総理は年頭会見でロシアなどの動きを念頭に“抑止力の強化が必要だ”とする一方、“過去の多くの戦争は被害の誤解や誤算に起因した”として関係国との対話も強調した。変化の兆しも見える。米国・トランプ政権をにらんでの対話の模索。文化学術の交流でお互いの間合いを図ろうとしている。昨年、ロシア国防省も関係する雑誌「国防」に日本の武藤在ロシア大使のインタビューが掲載され、大使は日本の安全保障政策について説明した。ロシアが非友好国とする国の大使のインタビューを国防関係の雑誌に掲載するのは異例なこと。対話の糸口を見出そうとする年となるかもしれない」とスタジオで述べた。