日本時間のけさ、アメリカのトランプ大統領が相互関税の導入を表明した。貿易相手国の関税率や非関税障壁を踏まえて、みずからの国の関税も相手国と同じ水準まで引き上げる措置で、日本については24%の関税を課すとしている。アメリカにとっての非関税障壁を考慮すると、日本はアメリカに対して、46%の関税を課していることに相当するためだとしている。この措置は今月9日に発動し、トランプ大統領が、貿易赤字などが解決されたと判断するまでは課されるとしている。これとは別に、トランプ政権は、輸入される自動車に25%の追加関税を課す措置も日本時間のきょう午後1時過ぎに発動した。トランプ大統領の表明を受けて、きょうの東京株式市場は、日本経済にとって大きな打撃になるといった懸念から、ほぼ全面安の展開となった。日経平均株価は、取り引きが始まっておよそ10分で1600円を超える急落となり、終値は去年8月以来、およそ8か月ぶりに3万5000円を割り込んだ。トランプ大統領の相互関税の表明について、石破総理大臣は国内産業への影響を精査し、企業に万全の支援を行うとして、きょう、全国におよそ1000か所の特別相談窓口を設け、中小小規模事業者の懸念にきめ細かく対応するなどと説明した。国内の企業からは懸念の声もあがっている。調理器具をアメリカ向けに輸出している新潟県の金属加工メーカーは輸出のおよそ4割がアメリカ向けで、関税の引き上げによって、今後の取り引きに影響が出るのではないかと懸念している。このため、ヨーロッパなどとの取り引きも増やせるよう、営業活動に取り組んでいるという。今後の影響が懸念される相互関税について、トランプ政権の1期目で、USTR(アメリカ通商代表部)の交渉官を務めたデビッド・ボーリング氏は「この措置は確実に世界貿易戦争を引き起こす」とコメント。また、トランプ政権が日本はアメリカに46%相当の関税を課していると主張している根拠については、日本が課す関税、非関税障壁、貿易赤字、為替操作といった要素すべてを考慮したうえで、算出したという理解だと指摘した。