3年前の2022年に就任した韓国・ユン大統領。政治経験はなかったが、検察トップとして前政権に真っ向から対じした姿勢が支持されてきた。国内政策では、労働、教育、年金の分野での改革に意欲を示した。しかし野党が多数の国会では、何度も法案が否決されるなど厳しいかじ取りを迫られた。一方、大統領の権限が強い外交政策では、みずからの信念を追求。そのひとつが、戦後最悪ともいわれた日韓関係の改善だった。両国の最大の懸案の1つ、太平洋戦争中の「徴用」を巡る問題について、政府としての解決策を提示し、発表の10日後には日本を訪問。当時の岸田総理大臣と会談した。会談後の夕食会では、ビールと焼酎を混ぜる爆弾酒と呼ばれる韓国式の飲み方を披露して、岸田総理との距離を縮め、その後も首脳同士の相互訪問シャトル外交を行い、関係を温めてきた。ユン大統領の罷免。石破首相は「いかなる政権になってもことしは国交回復60周年という年 日韓の緊密な連携は極めて重要」と述べた。